確定給付年金とは
確定給付年金とは、企業が従業員に対し、将来支払われる年金の給付額を事前に約束する企業年金制度の一つです。従業員は、退職後の生活設計を立てやすいというメリットがあります。
給付額の計算方法は、勤務期間や給与水準などに基づいて企業ごとに定められています。企業は、将来の給付に備えて年金資産を積み立て、運用する責任を負います。運用実績が悪化し、積立不足が生じた場合には、企業が追加で拠出する必要があります。
主な種類として、企業が年金資産を社内で管理・運用する「規約型」と、生命保険会社や信託銀行などの外部機関に委託する「基金型」があります。
なぜ今、話題なの?
確定給付年金は、かつて多くの大企業で採用されていましたが、近年ではその数が減少傾向にあります。その背景には、企業の運用リスク負担の大きさがあります。
低金利環境の長期化や株式市場の変動などにより、企業が約束した給付額を賄うための運用が困難になるケースが増加しました。これにより、企業は多額の追加拠出を迫られるリスクを抱えることになります。
このような状況から、企業側のリスクを軽減できる「確定拠出年金(DC)」への移行が進んでいます。しかし、従業員にとっては、将来の給付額が確定している確定給付年金の方が、老後の生活設計が立てやすいという点で、依然として重要な制度です。
どこで使われている?
現在でも、大手企業や歴史のある企業を中心に、確定給付年金制度を導入しているところがあります。特に、従業員の福利厚生を重視する企業や、安定した人材確保を目指す企業では、この制度が活用されています。
また、公務員などが加入する「共済年金」も、給付額が事前に定められているという意味では、確定給付年金の一種と捉えることができます。公的年金制度である厚生年金や国民年金とは異なり、企業や団体が主体となって運営される私的年金制度の一部を構成しています。
覚えておくポイント
確定給付年金について覚えておくべきポイントは以下の3点です。
- 企業が給付額を約束する:将来受け取れる年金額が事前に決まっているため、老後の生活設計が立てやすいのが最大の特徴です。
- 運用リスクは企業が負担する:年金資産の運用がうまくいかなくても、企業が不足分を補填するため、従業員は運用リスクを負いません。
- 企業側の負担が大きい:企業にとっては、運用リスクを負うことや、低金利環境下での積立不足リスクがあるため、近年は確定拠出年金への移行が進む傾向にあります。
自身の勤める企業がどのような年金制度を採用しているかを確認し、老後の資産形成について考える上で、確定給付年金の仕組みを理解しておくことは非常に重要です。
本記事は情報提供を目的としており、特定の保険商品の推奨ではありません。保険の加入・解約は必ず保険会社または資格を持つFP(ファイナンシャルプランナー)にご相談ください。